2005年に発売されたK1200R。エンジンや独特な機構のフロント・サスペンションを覆い隠すものは一切無く、フロントマスクにはBMW Motorradのアイデンティティのひとつである左右非対称のデュアル・ヘッドライト・システムを装備し、その特徴的なスタイリングは、これまでのクラシックやツアラーというイメージとは正反対に位置していた。一見するとSのフェアリングを取り除いただけに思えるが、タンクやシートのデザインはR専用設計のスリムなもので、ニーグリップや着座位置などは大きく異なる。また幅広のハンドルは車体を抱え込むようなライディングフォームとなり、よりアクティブな操作を可能とする。ステアリングヘッドの角度はK1200Sの60.6度から61度に変更され、ホイールベースは9mm延長。細身でコンパクト、低重心を実現する直列4気筒パワーユニットは、特に郊外や市街地といったシチュエーション向けに吸気ポートがデチューンされ、最高出力はSよりも4ps低163ps/10,250rpm、最大トルクも3Nm低い127Nm/8,250rpmという低・中速域重視に。