XV1900Aミッドナイトスターは、1,854cc(113ci)もの排気量を持つ空冷Vツインエンジンを搭載した、ヤマハ製クルーザーのフラッグシップとして登場した。Vバンクの挟み角は48度で、カムシャフトはOHV式。空冷とはいえ、この巨大なパワーユニットの発生する熱のために、シリンダーヘッドにエンジンオイルを循環させる油冷システムやポルクーラーの標準装備などの対策がとられていた。エンジンと並んでオーセンティックなアメリカンクルーザースタイルを構成する要素となった燃料タンクは、溶接跡の見えないフランジレスタイプ(ヤマハ初採用)で、その上部に配置されたスピードメーターには、タコメーター(左下)と燃料計(右下)が組み合わされていた。駆動方式はベルトドライブで、ミッションは5段変速、クラッチは油圧式。2011年モデルからは前後連動ブレーキ(Unified Brake System=UBS)を採用し、2013年モデルからはシフトチェンジをサポートするアシスト&スリッパークラッチを採用した。XV1900Aミッドナイトスターは、海外専用モデルながら、ヤマハの海外向けモデルを輸入するプレストコーポレーションによって、2007年から2013年モデルまで販売された。欧州では2014年モデルまで設定された。なお、北米での名称は「ロードライナー」だった。