ムルティストラーダ1100は、2003年から販売されていたムルティストラーダ1000の後継モデルとして、2007年に登場。「数字」が変わったことから明らかなように、それまで992ccだった空冷Lツインエンジンは、1078ccに拡大された。これは、ピストンストロークはそのまま(71.5mm)に、シリンダーボアを4ミリ拡大して98mmとしたことで得られたもの。シリンダーあたり2本の点火プラグを持つデュアルスパークなのは、これまで通りだった。その他、車体の構成も、おおよそムルティストラーダ1000と同じだったが、クラッチは、従来の乾式(乾式・多板)から湿式(乾式・多板)に変更された。2005年登場のムルティストラーダ620に続く湿式クラッチの採用で、620同様に、扱いやすさが美点だった。前身モデル同様に、「Sバージョン」としてムルティストラーダ1100Sも設定されていた。2009年モデルまで設定され、翌年からムルティストラーダ1200へとチェンジされた。