ドゥカティの1098は、2007年モデルで新登場したスーパーバイク(発表は2006年)。タテ2眼だった前身の999(2002年-)から大きくスタイルを変更し、916から998までのヨコ2眼タイプのヘッドライトに回帰した。「数字」が大きくなっていることからも分かるように、水冷2気筒Lツインエンジンの排気量は、1,099ccに拡大されていた。ドゥカティのスーパーバイクは、851(1988年)以来、SBK(スーパーバイク世界選手権)への参戦を目的のひとつとしており、ポーレン、フォガティ、ベイリスなどのチャンピオンを生みだしていた。そのSBKの2007年時点でのレギュレーションでは、(2気筒も4気筒も)排気量は1,000ccまでとなっていたが、翌2008年からは、2気筒のみ1,200ccまで拡大されることになっていたため、1098は、それを見越してのデビューだったことになる。「テスタストレッタエボルツィオーネ」と呼ばれたエンジンは、排気量が拡大したにも関わらず、ヘッドまわりはコンパクト(テスタストレッタ)になり、出力向上と軽量化を同時に達成。フレームはスチールパイプのトレリスという、ドゥカティらしさそのまま。クラッチは乾式で、この点でもドゥカティのスーパーバイクとしての流儀をそのまま受け継いだモデルだった。上級仕様のSタイプを同時にラインナップ。SBK参戦のベースとなる1098Rは、2008年モデルで新登場した。このあと、ドゥカティのスーパーバイクは、1198(2009年-)、1199パニガーレ(2012年-)、1299パニガーレ(2015年-)と進化していった。