BMWのHP2エンデューロは、2005年に発表されたオフロード(エンデューロ)バイク。BMWにおいて、ハイ・パフォーマンスを表す「HP」の二文字は、特別な性能を与えられたモデルにのみ与えられたもので、HP2エンデューロは、その初めてのモデル。数字「2」は2気筒(この場合はボフラットツイン)であることを示していた。排気量1,169ccの空冷水平対向2気筒エンジンは、R1200GSを踏襲するものではあったが、R80G/S(1980年)に始まったGSシリーズが、ツアラー指向を強めて行く中で、純粋にオフロードバイクとしての性能(ダート路面で車体を振り回すような)を追い求めるようなモデルとして生み出されたのが、HP2エンデューロだった。そのため、エンジンのバランサーシャフトは取り外されておた。また、フレームはR900R(1999年から2001年までパリダカなどのラリーレイドに参戦したワークスマシン)から受け継いだレイアウトが採用されていた。フロントサスは倒立フォーク式で、そのストローク量は270ミリを確保。リアサスには、二輪車として初めてエアスプリング/ダンパーが採用されていた。エアサスは、軽量化とメンテナンスフリーを両立させた。公道走行は可能ながら、フラットツインを搭載したモデルでオフロードモータースポーツを楽しむ人のために用意されたモデルだった。日本では、2005年11月から、受注生産のみで販売された。