カワサキ初の50ccスポーツバイクとして、1981年4月に発売されたのが、AR50だった。ロードレーサーのKR250やKR350のイメージを投影したモデルで、空冷2スト単気筒エンジンは、7.2psを発揮。6速ミッションを組みあわせ、リアサスにはユニトラックサスを採用。フロントブレーキは油圧ディスク式だった。KR50登場の2か月後には、レーサー由来のゼロハンスポーツとしてヤマハ・RZ50も登場している(TZ250→RZ250→RZ50だが)。83年にはビキニカウルを備えたAR50Ⅱとなり、自主規制によってエンジン出力を下げた。84年モデルのAR50Sでは、ビキニカウルはそのままに、再び7.2psに戻り、88年モデルまで生産された。RZ50やRG50ガンマなどのライバルが水冷エンジンだったのに対し、AR50は、最後まで空冷エンジンを搭載。このエンジンは、ミニ・スーパーバイカーズモデルとして人気となるKS-1(1988年)にも採用された。