50cc(原付1種)モデルとしての「ウルフ」は、2度登場している。最初は、極太タイヤのレジャーバイクとして(1982年)、2回目が、1989年末発売の前後17インチホイールを履いたスポーツモデルだった。この項におけるウルフ50とは、1994年まで販売された後者を指している。ウルフ50は、1982年から販売されていたRG50ガンマ(水冷2スト49ccエンジン搭載)のカウルレス・バージョン。ハーフカウル中心だったRG50ガンマに対し、1988年からフルカウル仕様がラインナップされるようになり、その反対に、カウルレスのネイキッドバージョンが登場したのは、レーサーレプリカブームへのカウンターとしてのゼファーが発売された、1989年という時代性にも合致していたと見ることも可能だった。なお、RG50ガンマからカウルを取り外した代わりに、取り付けられたものもあった。それは、フレームのカバー。まるでツインチューブフレームのように見えるが、実際は、RG50ガンマの角型フレームの上にカバーが追加された外装パーツだった。仕様変更は、1994年モデルでバックミラーが左右ともに装備され、ヘッドライトが常時点灯になったことのみ。RG50ガンマよりも一足早くモデルヒストリーの幕を下ろした。