1970年代の終わりごろから、4輪車用エンジンに過給機(ターボチャージャー)を用いての高性能化が図られるようになったのを受けて、80年代はじめにバイクでもターボエンジンがトライされた。カワサキの750ターボやホンダCXターボと並び、スズキが送り出したのが、XN85だった。ベースとなったのは、GS650Gなので、XN85もGSシリーズの中の一台だった。なお、車名の85は、最高出力の85psから。自然吸気のGS650G(海外向け)が73psだったので、ターボ過給で115%以上の出力向上を見せていた。但し、インジェクション吸気でコントロールされた出力特性は、中速域を中心にトルクアップを狙ったもので、扱いやすいものだった。なお、XN85でトライされたピストンクーラーなどの技術は、後の油冷エンジン時代に継承された。