スズキのスーパースポーツシリーズGSX-R(排気量)のことを、欧米市場ではその綴りから「ジクサー」という愛称で呼ぶことがあった。そのジクサーを、そのまま車名として戴いたモデルが登場した。とはいえ、GSX-Rではなく、150ccクラスのネイキッドスタイルロードスポーツとして。生産はインドの工場で、新興著しかった現地およびアジアや南米向けという位置付けだった。現地での発売は2014年だったが、日本での販売開始は2017年1月から。現地仕様そのままというわけではなく、日本仕様ではリアブレーキをディスク化し、キャブからインジェクションに変更するなどの仕様変更を受けていた。空冷単気筒エンジンの排気量は154ccで、日本市場での車両区分からすると、原付2種にするには大きすぎ、軽二輪としては小さめという半端さを懸念する声もあったが、いざというときには高速道路も走ることが可能で、ふだん使いには軽量コンパクトというメリットが勝って、ヒットモデルとなった。2019年モデル(GSX150ZL9)はカラーチェンジのみで推移したが、2020年にモデルチェンジを受け、新型となった。新しいジクサーは、これまで持っていた美点はそのままに、外観イメージを一新。ヘッドライトはLED式となり、シートは前後分割式になった。また、フロントブレーキにABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備した。2023年モデルで、平成32年(令和2年)排出ガス規制をクリアした。