ブロンコ(BRONCO)は、1997年5月に発売されたレトロスタイルのスクランブラーモデル。空冷単気筒の223ccエンジンやフレームなどの基本構成は、セロー225をベースにしており、当時のレトロファッション人気を背景に登場したものだった。デザインイメージは、1968年発売のヤマハトレールDT-1に由来し、ダウンタイプのスチール製フロントフェンダーなどにその影響が見てとれた。なお、エンジンはセロー225と共通ながら、6速ミッションの1速と2速のギア比は、セローよりもロング化されていた。これは、「ヤブこぎ」さえ求められるマウンテントレールであるセローと、レトロファッションを楽しみ、市街地での扱いやすさを求めたブロンコとに求められる性格が異なるための違いだった。BRONCO(ブロンコ)とは、北米に棲む野生の馬を表す言葉で、荒地を駆けるスクランブラーのスタイルを再現したこのバイクにふさわしいネーミングだった。