YSR50は、1986年3月に発売された12インチの小径ホイールを採用したミニサイズ・レーサーレプリカだった。YSR50の登場直前には、GAG(スズキ)がリリースされているが、GAGがその名の通り、「ウケ狙い」のファンライドモデルだったのに対して、YSR50は、ナリこそ小さいものの、TZR500(当時のGPレーサー)を思わせるスタイルに、7psを発揮する空冷2ストエンジン、5速ミッション、フロントディスクブレーキなどを組み合わせた、レーサー気分満載の原付スポーツだった。そんなイメージは、カラーリング設定にも明らかで、初期モデルのゴロワーズカラー(フランスのタバコブランド)、86年9月のマルボロカラー、同年11月のテック21カラーなど、当時のレースマシン同様のカラーリングモデルが設定されていった。1988年3月にマイナーチェンジを受け、ブレーキディスクが穴あきタイプになるなどの変更を受けた。また、YSR50には、79ccエンジン搭載のYSR80も存在。発売は、YSR50登場の半年後、1986年9月で、88年3月にマイナーチェンジを受けた。なお、YSR50に続くヤマハ50ccミニレプリカは、TZM50R(1994年-)が担当した。