2012年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)に、プロトタイプが出展されたリヴァーレ800は、20世紀末に復活したMVアグスタが、新しいセグメント(フルカウルスポーツでも、ネイキッドでもない)に参入する狼煙(のろし)になった。スーパーモタード・スタイルのスポーツモデルとして市販されたのは、2014年からだった。ちなみに、イタリア語で「Rivale」とは、ライバルのこと。800ccクラスのモタードスタイルといえば、同じイタリアでL型エンジン搭載をアイデンティティにしていた競合メーカーもラインナップしていたが、リヴァーレ800が搭載するのは、Lツインではなく、F3 800にも採用された798ccの水冷並列3気筒エンジンだった。組み合わされるのは、鋼管トレリスフレームや片持ち式のスイングアーム、フルアジェスタブルのショックアブソーバ(前後とも)、湿式クラッチと6速ミッション。エンジンモードは4種類(ノーマル/スポーツ/レイン/カスタム)から選択可能で、トラクションコントロールは8段階調節式、クイックシフターを装備していた。登場翌年の2015年モデルでは、12.9リットルだった燃料タンク容量が、16リットルに拡大され、給油あたりの航続距離が伸びた。この年、ツーリングユースに最適化された派生モデルとして、ストラダーレ800が登場した。