レトロなサイドカー(側車付き)をラインナップするウラルにおいて、GEAR UP(ギア・アップ)は、後輪だけでなくサイドカー側の車輪も駆動する、2WD(ツー・ホイール・ドライブ)モデル。そのため、日本の法規上は、バイクの免許ではなく、普通自動車免許(マニュアル)運転することが可能だった(逆を言えば、大型二輪免許では運転不可)。いかにもクラシカルなルックスは、ビンテージ風を装ったのではなく、本当に開発当時のスタイルを継承しているため。旧ソ連時代に開発され、連邦解体後ロシアに戻ったあとも、各部の現代化を受けながら、変わらない姿で生産されていた。749ccの水平対向2気筒OHVエンジンは、古いドイツメーカー製エンジンの面影を残したものながら、燃料供給は、現代的なフューエルインジェクションで、始動はセルとキック併用式。前進4速ミッションにはバックギアも備えられていた。なお、常時2WDではなく、切り替え式のパートタイム2WDのため、舗装路では通常のバイクのように後輪のみで軽快に走り、悪路ではサイドカー側も駆動する2WDに切り替えるという使いかたが可能。