ストリートトリプルは、2007年に発売されたミドルクラスのロードスター(モデルイヤー設定は2008年)。登場時から、丸目2灯ヘッドライトの外観と名称がよく似たスピードトリプルと混合されることがあったが、「ストリート」はミドルクラス、「スピード」はリッタークラス、という位置づけで、まったくの別モデル。ストリートトリプルは、ミドルクラスのスーパースポーツとして先がけて発売されていたデイトナ675のネイキッド仕様で、両車はまるで一卵性双生児のような関係だった。675ccの並列3気筒エンジンやフレームなどの基本構成は、デイトナ675のものを踏襲して採用し、そのうえで、ネイキッドらしく公道での扱いやすさを出力特性やホイールベースの変更、キャスター角の変更などによって追求したモデルだった。翌2008年には、足回りなどが異なる上級仕様のストリートトリプルRが設定された(別項)。ストリートトリプルと同・Rは、2012年モデルから大排気量版のスピードトリプルのような異形2眼ヘッドライトを採用した。翌年には、シャシーの全面変更を受け、マフラーはショートタイプをアンダーマウントするようになった。この際、日本市場向けモデルは、ストリートトリプル85と、ストリートトリプルRの2本立て設定となり、単に「ストリートトリプル」と名乗るモデルはラインナップされなかった。