1997年に発売されたX4(エックスフォー)は、「パワードカスタム」をキーワードに開発された、スタイルもエンジンも力強さを強調したスポーツモデルだった。発売前の95年の東京モーターショーに参考出品されたコンセプトモデルがベースで、90年代のクルーザー(アメリカン)ブームの中であったことから、X4もカスタム色(ホンダ的にいうアメリカン)の強いスタイルが特徴だった。搭載されたのは、1,284ccの水冷4スト直列4気筒DOHCエンジンで、当時の自主規制値いっぱいの100psを、わずか6,500回転時に発生していた。登場から数年は、カラーリング変更のみでモデルイヤーを重ねていったが、2000年に、排出ガス規制への対応を行うと同時に、モデルチェンジを受け、名称はX4 Type LDとなった。LDは、Low Down(ローダウン)のことで、シート高と最低地上高がともに10ミリ下がり、ハンドル位置も変更され、より余裕のある乗車姿勢がとれるようになった。この変更を最後に、モデルヒストリーに幕をおろすことになった。なお、X4に搭載されたエンジンは、1998年に初期モデルが登場したCB1300SFシリーズにも採用された。