1976年2月、CB50JX-1とXE50とともに、本格派50ccバイクトリオの一角として発売されたのが、バイアルスTL50だった。バイクとトライアルスを掛け合わせた造語だった「バイアルス」というモデル名と、その見た目から分かるように、TL50は、50ccだけど本格的なトライアルバイク、という位置づけ。CB50系の縦型49cc空冷4スト単気筒エンジンは、同時発表のトリオ共通ながら、それぞれのキャラクターに合わせたセッティングになっており、バイアルスTL50は、低速を重視するトライアル走行のためにバルブタイミングを調整し、4.2psを9,500回転時に発生していた。ミッションは5段リターン式で、リアショックは5段階に調整可能だった。但し、いかに「本格派」とはいえ、ホイールサイズはフロント18インチ、リア17インチで少し小さめ。競技に用いるというよりも、トライアルを手軽に楽しむに不足ない、というのがバイアルスTL50の真価だった。