1988年3月に発売されたNX125は、オフロードバイクをベースに、カウル付きのロードスポーツ風のエッセンスを加えたモデルで、登場から10年以上後に、「マルチパーパス」や「アドベンチャー」と呼ばれるスタイルを先取りしたかのようだった。全体の雰囲気は、87年末に発売されていたAX-1に近似しており、名称は異なるが実質上の兄弟モデルと言えた。NX125に搭載されたのは、124ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンで、4ストならではの耐久性と経済性が魅力だった。始動方式はキック式なし、セルフスターターのみで、日常での使い勝手を重視しているところが見てとれた。登場後、仕様変更などを受けることはなかった。