1987年12月に発売されたAX-1は、オフロードバイクにロードツアラー風のエッセンスを加えたハイブリッドスタイルを持つモデルだった。21世紀に入ってから「マルチパーパス」などと呼ばれることになる足長(サスが長い)スタイルのツーリングバイクの先駆けも言えた。エンジンは、249ccの「水冷」4スト単気筒DOHCで、オフロードバイク=空冷が当然の時代に、水冷であること自体が、オフロードバイクにロードバイクの長所を取り入れた、ということを表わしていた。なお、このエンジン(MD21E)は、後にXLディグリー(Degree)にも採用された。89年5月にはマイナーチェンジを受け、オフロード走破性を高めるためにサスセッティングが硬めに変更された。94年のカラーチェンジを最後に、日本国内ではカタログ落ちした。なお、88年には原付2種クラスに姉妹モデル(NX125)が登場するが、NX125が前21インチ、後18インチのフルサイズホイールだったのに対し、AX-1は前19インチ、後16インチでやや小径。そのぶん、オンロードでのハンドリングは軽快なものだった。