VT750Sは、2010年3月に発売されたロードスポーツモデル。Vツインエンジンを搭載し、ハーレーダビッドソンのスポーツスター・シリーズに似たシルエッなので、日本市場では「アメリカン」と捉えられてしまいがちだが、ネイキッドスタイルのスタンダードスポーツと考えた方が、本来のキャラクターに近い。搭載されたエンジンは、アメリカンクルーザーのシャドウ750と同じ、745ccの水冷4ストV型2気筒3バルブユニットで、フューエルインジェクションと5速ミッションを組み合わせてダブルクレードルのフレームに搭載していた。流麗なティアドロップ型のフューエルタンクや、2本出しのデュアルテーパードマフラーなどにより、躍動感と存在感を際立たせているのも特徴だった。初期モデルからモデルチェンジを受けることなく、2度のカラーリング変更のみで、短いモデルヒストリーを終えた。登場年の11月には、姉妹モデルとしてVT400Sも設定された。