1980年3月に発売されたラクーンは、プルバックハンドルと大きなシートを持つ、独特なスタイルの原付1種として発売された。たしかに特徴的な構成ではあるが、よく見ると、アメリカンクルーザーのようなスタイルに近く、後に登場するジャズ(1986年)の先がけともいえるモデルだった。但し、ジャズはカブ系の4スト50ccエンジンだったのに対し、ラクーンは、MB50系の空冷2ストエンジンを搭載。6psの最高出力を発揮して、どこかファニーな見た目のラクーンに、軽快なスポーツライディングをもたらしていた。また、タコメーターとリアキャリアも標準装備していた。シート高は700mmと低く、気負わずにゆったりと乗れるポジションのラクーンだったが(そんなところから、「楽」がモデル名になった)、モデルチェンジを受けることなく生産終了。※1995年には、再び「ラクーン」のモデル名がホンダの二輪車に用いられた。90年代から2000年代にかけてラインナップされたラクーンは、電動アシスト自転車だった。