ピープルは、1984年3月に発売された、モペッド。見た目はまるで自転車のようながら、排気量24ccの2ストロークエンジンを搭載し、ペダルを漕がなくても、最高速度18km/hで走行することができた。また、走行中にペダル駆動を加えることで、坂道や大きな荷物を積載した際にアシストすることもできた(人力でエンジンを補助)。ホンダが、太平洋戦争のあと、旧軍の無線機用発動機を用いて自転車に取り付ける補助エンジンを作ったことに始まったのは有名な話。その意味で、ピープルはホンダの原点のようなモデルだった。燃料タンク容量は1.0リッターで、燃費は90km/L(15km/h走行)。エンジンの始動は、ペダルを漕いでハンドルのスロットルレバーを押すという構造だった。なお、ホンダのプレスリリースでは、カタカナ表記のモデル名だったが、当時の取扱説明書などでは、ひらがなで「ぴ~ぷる」だった。