NOVIO(ノビオ)は、自転車に乗ることができれば誰でも気軽に運転できることを設計のポイントに開発されたモペットだった。モペットとは、自転車にエンジンを搭載したバイクのことで、エンジンの力で走ることもできれば、ペダルを踏むことでも走ることができるのが特徴。もともとホンダは自転車用補助エンジン(単体)の販売から始まった会社なので、モペット製造はホンダの原点に近いともいえた。そんなホンダ製モペットは、1960年代には4ストエンジンのリトルホンダ(P25/PC50)がラインナップされていたが、1973年1月に発売されたノビオ(PM50)は、2ストロークエンジンを搭載。リトルホンダ同様に、ペダルを漕いでエンジンを始動したあとは、変速操作などはなく、自転車と同じように操作すればよかった。1974年にはマイナーチェンジを受け、PM50K1型となった。主な変更点は、フロントバスケットの標準装備したことや、ハンドルにチョークレバーが付いたことなど。シートなどが花柄プリントになっていた。ちなみに、「Novio」はスペイン語。「ボーイフレンド」とか「彼氏」という意味。日常生活を共にする乗り物にぴったりの名称だった。