ドリーム50は、1997年2月に発売された原付1種のロードスポーツだった。前後に長い燃料タンクや、後ろにストッパーが付いたシートを採用し、まるで1960年代のレーシングバイクのようで、実際に、CR110カブレーシング(1962年)のスタイルをイメージしたものだった。もともとは、1995年の東京モーターショーに参考出品されたものが、その注目度の高さもあって市販化されたもの。CR110カブレーシング(公道仕様)とは異なり、ブレーキは前後ともディスク式で、マフラーは左右2本出しのメガホンタイプを採用。排気量49ccの空冷単気筒エンジンのシリンダーヘッドは、まさかのDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)の4バルブ。1万回転オーバーまで吹け上がり、クロスレシオ設定の5速ミッションを組みあわせるという、50ccバイクのイメージを超越したスーパーなスポーツバイクだった。一度だけ赤いカラーリングの「スペシャルエディション」を設定し、生産終了。夢の世界へと旅立った。