まるでスケートボードの上にハンドルとシートが付いたような、特徴的なスタイルのスクーター(ホンダは「タウンビークル」と呼んだ)、それがZOOK(ズーク)だった。発売されたのは1990年2月で、前年(89年)秋の東京モーターショーに参考出品された「MS50」を市販化したものだった。小さなタイヤは、前後とも8インチ、エンジンは49ccの2スト単気筒で、出力は3.3ps。ぴょこんと突き出したポストに、自転車のサドルのようなシートが取り付けられたさまは、(遠乗りするのは難しそうながら)いかにも楽しそうなスタイル。広告には、TVタレントの所ジョージさんが起用され、その人選も、ズークのキャラクターを端的に表していた。