「アメリカンカスタムスタイルのスクーター」として1996年8月に発売されたのが、「ジョーカー」だった。アメリカンというと、プルバックされたハンドルを掴み、ティアドロップ(涙のしずく)状の燃料タンクをはさんで、低めのシートにどっかり座り込む、というのが、おおよその雰囲気だが、ジョーカーは、幅広でプルバックされたハンドルを備え、シートからボディ後端までがティアドロップ形状という要素で、スクーターながらアメリカン、という独特のモデルポジションを得ることに成功していた。アメリカンらしさは、ディッシュホイール(お皿=ディッシュのような形状のホイール)を備え、各部にクロームメッキパーツが奢られていたことなどにもあった。なお、初登場時(1996年8月)は、単に「ジョーカー」という名称だったが、同じ年の10月に、89ccエンジンを搭載したジョーカー(90)が登場。これを機に、ジョーカーは、ジョーカー(50)と呼ばれるようになった。バイクブロスでは、カッコを略して、ジョーカー50とした。