1991年3月に発売されたジェイドは、4ストレーサーレプリカのCBR250RR(1990年登場)と同型のエンジン(MC14E)を搭載した、シンプルなネイキッド・ロードスポーツだった。翌月にはカワサキからZXR250用エンジンを搭載したバリオスが登場するなど、当時は250cc4気筒エンジン搭載のネイキッドスポーツが各社から登場していた。より高性能になることがスポーツバイクの「正解」だった80年代を経て、より自然体にバイクを操る楽しさを追求し、軽快で素直な走り味とシンプルで機能的なスタイルを与えられたJADE(ジェイド)。その名は英語で翡翠(ひすい)のこと。翡翠は、持つほどに愛着のわく宝石と言われることから、そのようなバイクになってほしいという意が込められていた。91年の初期モデルには、翡翠のようなグリーンカラーが設定されてもいた。しかしながら、比較的短命なモデルとなり、92年にジェイド/S(スラッシュエス)が設定されたのち、93年モデルが最終仕様となった。1996年には、攻撃的でボリューム感のあるフォルムを持つホーネット(250)が、後継モデルとして登場した。