高速道路は一般道とルールも走行速度も異なるため、バイクで走る際に注意や確認を怠ると大事故に繋がってしまいます。そこで、本記事では高速道路をバイクで走る際の注意点やマナーを紹介します。安全に高速道路を走行できるよう、初心者はしっかり把握しておきましょう。
バイクで高速道路を走る条件は?
普通二輪免許なら高速道路が走行可能
高速道路では、原付や小型限定二輪などの排気量125㏄以下のバイクは走行不可となります。高速道路を走行するためには、排気量が125㏄を超えるバイクが必要で、免許の種類でいうと「普通二輪免許」、いわゆる中型免許以上で走行が可能となります。
高速道路でのバイクの法定速度は最高速度100km/h、最低速度は50km/hです。速度規制は、最高速度を超えることだけでなく最低速度を下回る速度で走ることも禁止されています。
また、沖縄自動車道では80km/hが制限速度となります。高速道路によって法定速度は変わりますので、注意が必要です。
一般道とは違う環境条件にも注意!
高速道路をバイクで走行する際は、一般道との環境の違いにも注意する必要があります。例えば、長時間高速で走行することで起こる疲労感や走行風です。直線の道を走っていると疲労感に気が付きにくいので、あらかじめ時間を決めて休憩することをおすすめします。
また、一般道より高い高架を走るため、走行風にも気をつけましょう。特に、山間部を走っている際に横風の影響を受けやすく、バイクの操作が不安定になります。この場合、最低速度を意識しながら左側を走行していくことがポイントです。
バイクで高速道路を走るための事前準備
タイヤの空気圧を確認
初心者の人が安全に高速道路を走行するためには、いくつかの事前準備が必要です。はじめに、タイヤの空気圧を調べておきましょう。「高速道路を走るから」といって無理にタイヤの空気圧を高くする必要はありません。しかし、荷物を積む際は重量の指定圧に従いましょう。
タイヤの空気圧を調べる際に、タイヤの状態も調べておきましょう。パンクしていたり、釘などが刺さったりしていないかなどを確認します。高速道路の走行中にパンクすると非常に危険なため、自分で作業出来ない人はガソリンスタンドでお願いしてみましょう。
ヘルメットは安全なものを
バイクでの死亡事故の原因は頭部損傷が多いため、ヘルメットは安全なものを使用してください。自分の頭のサイズに合わせることが重要で、高速道路を走行する際は、フルフェイスやジェットヘルメットを選びましょう。
また、ヘルメットには安全規格が設定されています。安全規格の種類は、SG規格やJIS規格・PSCマーク・SNELL規格・FIM/MFJ公認などです。この種類を意識してヘルメットを選ぶことで、より安全に頭部を守れるでしょう。軽さや機能性も意識すると、疲労感が軽減されます。
服装はバイク用のジャケットを着用
バイクに乗る際は、機能性に優れたバイク用ジャケットの着用がおすすめです。一般道であっても転倒や事故を起こしてしまう可能性はありますが、速いスピードで走行する高速道路ではさらに危険性が高まります。頭部同様、自分の体もしっかりと守っておくことが重要です。
バイク用ジャケットは、プロテクターが入っていて動きやすいものがおすすめです。プロテクターはジャケットの胸や肩、肘、背中部分に入っていることが多く、転倒や事故から体を守ります。さらに、夏は涼しく、冬は暖かいという快適性も選ぶ基準に追加しておきましょう。
できればETCをつける
高速道路初心者にとって、料金所の通過は至難の業です。財布の出し入れや料金の支払い、グローブの着脱などをスムーズに行えず、「後続車のプレッシャーに耐えきれない」と悩む初心者は多いです。
ETCを取り付けていれば、料金所でのわずらわしさを解消でき、プレッシャーもなく快適に料金所を通過できます。バイク専用車載機は、バイク店やバイク用品店などで取り付け可能です。また、高速代は軽自動車の料金が適用され、割引制度もあるためお得に通行できます。
バイクで高速道路を走る際の注意事項7点!
1.合流に注意
ここからは、バイクで高速道路を走る際の注意点を紹介していきます。まず、高速道路への侵入や分岐点などの合流に注意しましょう。高速道路へ侵入する際は、合流車線で80km~100kmまで速度を加速させ、流れに乗るように侵入していきます。
合流の際は横に目線を移して目視を行い、後方にぶつかりそうな車がないことを確認して合流していきましょう。分岐点での合流に関しても同じで、サイドミラーでは死角に入る車両もあるため目視は必須です。
2.自信が無い人は左側車線を走る
高速道路初心者は、真ん中車線の速度についていけない場合があります。自信のない人は、追い越し車線ではない左側の車線を走りましょう。ただし、車線内の真ん中を走行してください。
車線内の左側を走行していると、同一車線上で右側から追い越しをかけてくる車両もいるからです。慣れていない人は、この動作に焦りを感じて転倒してしまう可能性があります。車線内の真ん中を走行すれば、無理な追い越しはされないでしょう。
また、沖縄自動車道ではバスの専用レーンがあるので、高速道路の案内を見落とさないよう注意しましょう。
3.大型車両には近づかない
高速道路では、バスやトラックなどの大型車両に近づかないようにしましょう。大型車の後ろを走行していると前方が見えにくくなります。そのため渋滞や事故などを把握するのが遅くなり危険です。
また、大型車の横で走行していると強烈な風圧を受けることがあります。バイクの運転が不安定になるだけではなく、風圧に巻き込まれ大型車のタイヤに近づいてしまうこともあるので注意が必要です。
4.横風に注意する
高速道路で横風にあおられると、運転に支障をきたすことがあります。重量の軽い車両ほどあおられやすくなるため、ニーグリップをしっかりして、車体を固定させながら走行してください。
また、高架の高速道路やトンネル出口などは、強風にあおられやすいため注意が必要となります。山間部や海辺など、強い風が吹きやすい高速道路には吹き流しが設置されているので、確認しながら走行しましょう。
5.こまめに休憩をとる
バイクで高速道路を走行していると、走行風を体全体で受け続けます。そのため、車での走行より体力の消耗がひどく、疲れやすいです。走行中は疲れを感じにくいですが、疲れを感じる前に休憩をとりましょう。
休憩のタイミングは、1時間に1回ほど取るのがおすすめです。休憩を取るサービスエリアをあらかじめ設定しておくと、休憩が取りやすくなります。休憩時間に5分~10分程度休むだけでも、体力は回復していきます。
6.スピードメーターをチェックしながら走る
スピードメーターはこまめにチェックしながら走行しましょう。主な理由として、高速道路では、道路交通法の規定により50km~100kmでの速度で走行しなければなりません。制限速度内で走行していなければ速度違反として罰せられてしまうからです。
また、山間部では急坂により速度が急激に落ちてしまうことがあります。急減速してしまうと後続車に追突される恐れもあるため、メーターはこまめに確認し事故を未然に防ぎましょう。
7.車間距離をとる
事故を未然に防ぐ方法として、車間距離を取ることも重要です。前方車との車間距離が近いと、渋滞などでつまった際に回避ができず事故に繋がります。また、追い越しで車線に割り込んでくる車両もあるため注意が必要です。
安全に止まれる車間距離は、100kmでの走行では100m、80km走行の場合は80mが目安と覚えておきましょう。車線を区切る白線は20m間隔で引かれているので、これを目安に車間距離を取ると便利です。
バイク初心者が覚えておきたい高速道路のマナー
渋滞中のすり抜けは行わない
バイク初心者が覚えておきたいマナーとして、「渋滞中のすり抜けを行わない」ことが挙げられます。渋滞中は車に乗っている人もイライラしていることが多く、幅寄せや急な割り込みをされる場合があります。怖い思いをしないためにも、マナーを守りましょう。
路肩は走らない
高速道路上での路肩走行は、通行区分違反となり罰せられます。「早く目的地に着きたい、早く帰りたい」という気持ちで路肩走行をしてしまうと、周りから見ても自己中心的な迷惑行為です。違反金を払わないためにも覚えておきましょう。
サービスエリアでは二輪駐車場に停める
サービスエリアでの駐車場は、二輪専用駐車場へ停めるようにしましょう。高速道路のサービスエリアは多くの車両が休憩するので、大型車両の場所に置いてしまうと迷惑となります。二輪駐車場が空いていない場合は、その近くの邪魔にならない場所へ停めましょう。
スピードの出し過ぎに注意
スピードの出し過ぎにも注意が必要です。速度違反しているつもりはなくても、周りのペースに巻き込まれてスピードを出し過ぎてしまうケースが多くあります。特に、初心者の人は感覚に慣れておらず、スピードを出し過ぎてしまうことが多いので注意しましょう。
高速道路で快適に乗れるおすすめバイク
1.ヤマハ NMAX155
ヤマハNMAX155は、ゆとりのある座り心地と、コンパクトでスポーティーな走りが魅力です。日常での通勤や通学だけでなく、高速道路も快適に走れるバイクです。また、ABSが装備されているため安全性にも優れた車種となっています。
2.スズキ バーグマン200 ABS
スズキバーグマン200ABSは、足つきが抜群で初心者におすすめの車種となっています。コンパクトな車体ですが、2人乗りでも余裕のあるシートが魅力です。200㏄のエンジンを搭載しているため、高速道路でも快適な走行が行えます。
3.ホンダ ADV150
ホンダADV150は、環境性能や日常での取り扱いやすさが抜群の車種です。力強い走りと燃費性能に優れたエンジンが搭載されているため、高速道路も快適に走行できます。シートにはゆとりがあり、長時間運転しても疲れません。
4.ホンダ PCX160
ホンダPCX160は、ブレーキング力に優れているスクーターです。フロントにはABSが搭載されていて、安全性も抜群と言えます。走行中も振動が少ないため、快適な乗り心地を得られるのが特徴です。高速道路での長時間走行も疲れにくくなっています。
バイクマナーを守り高速道路を走ろう
初めて高速道路をバイクで走行する際は、誰もが緊張してしまうでしょう。慣れない環境に慌てて事故やトラブルを起こさないためにも、事前の点検や注意点を把握しておくことは重要です。知らないうちにマナー違反や迷惑行為をしてしまう場合があるので、この記事を参考に細心の注意を払いましょう。
また、沖縄自動車道では、速度制限や、バスレーン、中央線が変わるなど、本州とは違うルールが定められています。初めての高速道路を走行する際は、走る高速道路の標識やルールを覚えてから走行しましょう。